今回も楽器トピックスです。
”ピアノの鍵盤は全部でいくつでしょう?”
ご存知の方も多いと思いますが、そうです、”88鍵”です。
でも88鍵より多い鍵盤があるピアノも少数であるものの存在します。
ベーゼンドルファー社のいわゆる”ベーゼンドルファー・インペリアル”と呼ばれるこのコンサートグランドピアノは88鍵盤の通常のピアノよりも低いほうに9個多く存在し、写真のように白鍵が黒く塗られています。
もちろんちゃんと音が出る鍵盤ですが、ではこの余分な(失礼!)鍵盤を使用して弾く楽曲はあるのか、そのような曲をかいた作曲家はいるのか?だとしたらどんな曲??
実はこの鍵盤は弾くための鍵盤ではないのです。
長い弦をさらに張ることで他の音が振え、より豊かな響きが得られるように作られたものだそうです。
黒く塗られているのは”ここから先は弾いちゃだめよ~、触っちゃだめよ~”と余分な鍵盤さんが親切に仰ってくれているということか?(笑)
それでも鍵盤が多い分普通のピアノサイズとも異なっていますし、紛らわしいのは間違いないです。
その訳は私のちょっと苦い経験から・・・
このインペリアルはコンサート会場でも滅多にみられない珍しいタイプのグランドピアノですが、なぜか大阪の某区民ホールにありました。
以前この会場を使って生徒さんの発表会を開催した時に、ある生徒が弾き始めの位置に戸惑ってしまい、1オクターブ下の鍵盤から弾き始めて最後までそのまま弾いてしまいました。
なんだかいつもより”低い”曲になってしまい、お客様も若干”???”と気づかれていました。
リハーサルの時間がとれなくぶっつけ本番でこのピアノ、かわいそうなことをしましたね、だいぶ前の話ですが今でも某区民センターにはこのインペリアルが置いてあるのだろうか?と少し気になっています。
もし弾く機会があったら必ず弾き始めの位置を確認、座る位置も調整して・・・と思いつつその件以来実際にインペリアルはみたこともありません。お値段も相当なものですから。(なのでなぜ区民ホールにあったのか、今でも謎です・・)