常夏のシンガポール、日本のような四季感は感じられませんが、時はあっという間に過ぎて年明けからもうふた月も経ち3月になりましたね。
日本の春だけでなくこの地でも卒業式、そして転勤・帰国等の移動で泣く泣くお別れ、という状況もこれから多いのではないでしょうか。
今は学校の卒業式ではどのような歌や音楽が使われているのでしょうか?
私が記憶に残っているのは音楽の先生が式典のBGMとして生演奏して下さったショパン作曲の練習曲Op.10-3 ”別れの曲” です。
”別れの曲”というタイトルで知られた美しいメロディーですが、実はこのタイトルはショパンが付けたものではありませんし、別れを題材にした曲でもありません。
戦前に日本で公開されたショパンの伝記映画の日本語タイトルが”別れの曲” といい、この練習曲Op.10-3がメインテーマ曲として使用されていたからこの曲が”別れの曲”として有名になったといわれています。
私も練習、そして学習したことがありますが別れというよりも古き良き思い出といったノスタルジックな感じがします。あ、そうでした、”別れ”の曲ではなかったと言ったばかりでしたね!
美しいだけでなく難しい曲ですがショパンの代表作のうちの一つ、演奏できると素敵ですよ。
以下はその映画の詳細です。
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●映画「別れの曲」(原題:Abschiedswalzer)
1934年制作/ドイツ映画(日本公開:1935年)
モノクロ/モノラル/91分/配給:T&Kテレフィルム
監督:ゲツァ・フォン・ボルヴァリー
脚本:エルンスト・マリシュカ
キャスト:フレデリック・ショパン:ヴォルフガング・リーベンアイナー
コンスタンティア・グワトコフスカ:ハンナ・ヴァーグ
エルスナー教授:リヒャルト・ロマノスキー
ジョルジュ・サンド:シビル・シュミッツ
フランツ・リスト:ハンス・シュレンク
ほか