以前、大学で脳神経の研究室に勤めていた時のことです。
シンガポールには、たくさんの留学生が在籍しており、とりわけインド人が多い印象があります。
中でも、インド人の女子学生が目立ちます。
いわゆる「リケジョ」ですね。
ある時、インド人の女子学生数人と、そういう話をする機会がありました。
彼女たちが口を揃えて言うのが、理系進学は当然という事実。
それ以外の選択肢を考えたことがない、と。
文系の進路は、親の反対が必至で、音楽系を含む芸術方面に進むのは、自殺行為という発言までも飛び出し、皆一斉にうなずきます。
前回のブログ記事にも関係することですが、これは先進国でしか生活したことのない人には理解が難しい、というか、ある意味、考えたこともないことでしょう。
少なくとも、選択肢があるという幸せを実感したことがあるでしょうか。
私自身、ブラジルのローカル高校を卒業しましたが、同級生の男子は100%理系に進み、女子は、法学部と経済学部に進学した人が、それぞれ一人ずついましたが、残りは、工学部か医学部に進みました。
先進国で育つ子どもたちは、選択肢に恵まれていますが、ある種、それに気づきにくい。
選択肢が多いのに、逆に、自分の選択に臆病になってしまっては、実にもったいないですね。
自分だからこそ、できることを。
より個性的で、よりクリエイティブであってほしいですね。