各国のインターナショナル・スクールは、IB(インターナショナル・バカロレア)プログラムを採用している学校が多数あります。
IB小学校のプログラム(Primary Years Program (PYP))で特徴的なのは、英語(国語)や算数などのコア教科の他に、UOI (Unit of Inquiry)という教科の枠を超えた(transdisciplinary) テーマ単元の学習があることです。
各UOIで扱うテーマは、IB教育の大きな枠組み (Program of Inquiry (POI))に基づいています。
子どもたちは、年間を通して6つのPOIを元にしたテーマで、主体的に、リサーチなどを通じて理解を深め、個人や地域といったミクロな視点から、世界・地球規模といったマクロな視点へと学習を広げ、教科の枠を超えたアクティブ・ラーニングを展開していきます。
PYPの根幹を成す6つの大きな柱となるPOIは以下の通りです。
☆ Who We Are 「私たちは何者であるのか」
☆ Where We Are in Place and Time 「私たちはどのような場所と時代に生きているのか」
☆ How We Express Ourselves 「私たちはどのように自分を表現するのか」
☆ How the World Works 「世界はどのように動き、作用しているのか」
☆ How We Organize Ourselves 「私たちは自分たちをどう組織しているのか」
☆ Sharing the Planet 「地球の共有」
各学年の子どもたちが、年間を通して6つのテーマを、それぞれ6週間かけて(低学年は4つのテーマを8週間ずつ)1つの探究ユニット(UOI) として学習していきます。
例えば、「自己表現」という How We Express Ourselves のPOIの中で、低学年は、詩の勉強をしたり、高学年は、それを美術や創作という形でフォーカスしてみる。
一方、How We Organize Ourselves においては、低学年は様々な職業や地域で活躍する人々のことを学び、高学年では、経済や、需要と供給のバランスについて学ぶ、といった具合に進められます。
Where We Are in Place and Timeでは、低学年は地図の勉強、そして高学年は、移民問題のことを自分たちで深く調べる、など。
世界中のIB校のPOIは変わりませんが、どの学年においてどのようなUOIを探究していくかは、各校によって異なります。
しかも、同じUOIであっても、一人ひとりの主体的なリサーチの方向性によって中身が大きく変わってくるため、同じクラスでも、学びの内容は子どもの数だけあります。
年間を通したUOIは、IBの目指すグローバルな人材育成が根底にあるのですね。
グローバルな視点、そして主体的な学習をサポートするアクティブ・ラーニング。
次回は、IBプログラムのアセスメント(評価)についてお伝えします。
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