今日は火曜日ですが、17年前の今日も、忘れもしない新学期2日目の火曜日でした。
マンハッタンのアッパー・イースト・サイドの小さな小学校で働いていたのですが、
「何か、変・・・」と最初に思ったのは、さっき子どもたちが登校してきたばかりなのに、もう子どもを迎えに来たというお父さんが、学校の玄関に現われた時。
自宅で仕事をしているお父さんだったので、それ自体は疑問に思わなかったのですが、子どもを引き渡す際、一言も口にせず、足早に去って行った姿に「どうしたのだろう・・・」と不思議に思いました。
そして教室に戻ろうと廊下で同僚とすれ違った時、「テルヨ、聞いた?」と声をかけられたのでした。
「何を?」と聞き返すと、その先生が「ペンタゴンが襲撃されたらしい」と言うのです。
そして「あっ、それと、ワールドトレードセンターでなんか事故があったみたい」と彼女がついでに付け加えたのでした。
そう。私たちにとって第一報は、アメリカ国防総省のペンタゴンが大変なことになっているらしい、ということだったのです。
当時の勤務先にテレビはなく、17年前なので、当然YouTubeも・・・。
あまり情報が入らない中、学校の入り口は、次々と子どもたちを迎えに来る保護者でごった返す。
私のクラスの子どもたちは、お昼の12時頃には全員、親が迎えに来ていましたが、中には、様々な事情から、学校に夕方まで残っていた子もいました。
その後、緊急のスタッフ・ミーティングがあり、学校を出たのは午後2時過ぎだったでしょうか。
一歩外へ出てみると、そこはマンハッタンとは思えないほどの不自然な静けさ・・・。
普段はタクシーに、バスやトラックで混雑する大通りに車は一台もなく、道路を歩いてる人はまばらで、しかも話し声が全く聞こえない。
あんなにも静まり返ったマンハッタンの光景を目の当たりにしたのは、後にも先にもない。
当時、地下鉄とバスを乗り継いで通勤していたのですが、普段バスに乗る距離は歩き、地下鉄に乗る区間は、満員のバスにかろうじて乗ることができました。
やっとの思いで帰宅し、まずメールをチェックしようとパソコンの電源を入れた瞬間、
大量のメールが受信トレイに!
電話が通じない中、家族やたくさんの友人が心配してくれていた
膨大なメールの量に圧倒され、これは、私が想像している以上に、世界中が注目している大惨事だと痛感し、夕方4時頃だったか、テレビを付けて初めて衝撃の映像を見た。
あれから17年。
世界はどう変わっただろう。
自然災害も多い中、結束力が強まる一方、社会の分断も深まっています。
21世紀の幕開けで起きたこのニューヨーク同時多発テロ事件をきっかけに、その後も世界では、安全・安心、絆が脅かされる時代へ突入。

この間に起きた様々な出来事の教訓を、私たちは果たして生かしているでしょうか?