お子さんの英語のリーディング力について、「もうフォニックスは卒業しました」という表現を最近、耳にし、違和感を覚えてしまいました。
果たしてフォニックスって卒業するものなのでしょうか?
フォニックスは、リーディングの一テクニックであり、小さな子どもが文字と音の関係性を学び、最終的には一人で文が読めるまでのプロセスの最初の取っ掛かりとしては、とても有効です。
自分で文章が読めるようになり、本を楽しめるようになるまでの過程の一時期をフォニックスに充てることがあっても、それを「卒業」してから、次のステップへ進むという時間軸で考えるものでもないと思っています。
いつになっても、新しい単語を学ぶ際、フォニックスで解読した方が適していることもあるからです。
以前ブログでも触れましたが、フォニックスを「卒業」したら、ホール・ランゲージへ移る、ということではないのと同様です。
フォニックスを習っている間は、絵本は与えない、ということはない、というのと同じですね。
卒業というわけではなく、どちらかと言えば、ようやくスタートラインに立てた、というような感覚でしょうか(*^▽^*)
ホール・ランゲージ支持者が大事にする教材の中に、Authentic materials というものがあります。
できるだけ「本物」に近い教材を与える。
なので、リーディング習得用に作成されたリーダーズを彼らが使用することは、先ずないでしょう。
ただ、authentic を突き詰めていくと、authentic だと認識していた教材ですら、実は真の意味でのauthentic ではなかった(・・;)というところに辿り着いてしまうこともあるので、これはこれで、また難しいのですが(><;)
フォニックスを卒業するというのは、フォニックスのドリル的な学習を終えて、次はリーダーズに進む、という意味だったのかもしれません。
あるいは、フォニックスは終わったので、今度はauthenticな教材も読める、ということだったのかもしれませんね。
いずれにしても、フォニックスを卒業したので、もう何でも読める、とはならないのがリーディング。
なかなか一筋縄ではいきませんね(゚ー゚;
フォニックスを「卒業」という線引き的な認識は少し脇に置き、むしろフォニックスも学びながら、絵本も、そして、その子のレベルに合ったリーダーズも平行して取り入れ、様々な角度から「言語」というものを眺める機会を子どもに与えてあげるのが大事でしょう。
