最近、日本人の間でもフォニックスの認知度が高まってきたなぁと驚くことがあります。
20年前、アメリカでフォニックスに出会った頃は、アメリカの子どもが英語の読み書きを覚えるための指導方法というイメージが強かったため、
その後、日本でも流行り、外国人が英語を習う際にも活用できる学習方法になるとは、正直なところ、想像できませんでした。
当時のアメリカは、「リーディング改革」の最前線で、フォニックス VS. ホール・ランゲージ・アプローチという論点で、留学中、たくさんの講義で議論されていました。
学力偏重への回帰の中、フォニックスがちょうどスポットライトを浴びており、「目に見える」形でリーディング力をつけるには、とても良いツールだったのでしょう。
そのフォニックスに対抗して現れたのがホール・ランゲージ・アプローチ。
一つひとつの単語を断片的に見るフォニックスに対して、まさに、言語(ランゲージ)を全体(ホール)として見るアプローチです。
フォニックスが、リーディングの「テクニック」として捉えられる一方、ホール・ランゲージは、リーディングの根底にあるのは、本や文章を真に楽しむ、というもう少し大きな視点で、全体の意味に焦点を当て、「生きた言葉」の存在を大事にします。
個人的には、両方必要だと実感しています。
当時は、フォニックス派、ホールランゲージ派がそれぞれ主張していましたが、最近、そういう議論をあまり聞かなくなってきたのは、落ち着くべきところに落ち着いたのではないかと考えています。
どちらか一方ではなく、両方のバランスが必要で、様々なリーディング・プログラムが多数存在する中、違いはそれぞれの比重にあるのではないかと感じています。
ブログでリーダーズと絵本の違いに触れたことがありますが、フォニックスの延長線上にあるのがリーダーズで、ホールランゲージ論者が、まず子どもに与えるのは絵本、ということになるのではないでしょうか。
だからこそ、リーダーズは読み聞かせに向きませんし、絵本でフォニックスを教えるのも適切ではありません。
こう考えると、使用目的の違いがよりハッキリと見えてきますねo(^▽^)o
フォニックスにしても、ホールランゲージにしても、大人が子どもにできる最大のことは、たくさんの本を与えてあげることなのでは?