プレイグラウンド・イングリッシュで終わらせないために

第二言語習得に、母語の基礎が重要であることは、以前、ブログで書いたことがあります。

母語の重要性を強調するのは、やはり英語は母語以上のレベルにはならないからです。

母語がしっかりしていれば、英語もそれに比例して、上達します。

逆に、英語に力を入れるあまり、母語が停滞してしまうと、残念ながら、英語もそれ以上は伸びない、ということになってしまいます。

一番リスクが大きいのは、両言語がどちらも中途半端になってしまうことです。

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よくテレビで、帰国子女のアナウンサーの英語を聞いていて、厳しいようですが、「いつも同じようなコメント」「表現力に幅がない」という意見をもってしまうのは、高校までアメリカにいたのであれば、英語も高校レベルでストップしてしまうからなのです。

その後、意識して勉強しない限り、英語もそこ止まりになってしまいます。

意外にシビアですよね(・_・;)

お子さんがインター校に通い始め、自然と英語を身につけてくる場合、保護者の方はご自身以上に英語ができる子を見て満足してしまいがちですが、その英語力がPlayground English(お友達と遊ぶための手段としての英語)で終わってしまわないためにも、アカデミックな面で英語をどれだけ使えているか、というのが大事になってきます。

ある意味、プレイグラウンド・イングリッシュは誰でも簡単に身につきますが、アカデミック・イングリッシュは、コツコツと毎日の積み重ねの結果です。

英語を意外と簡単に、自然と話せるようになると、それを持続して使わない限り、脳の発達段階ですぐに忘れてしまうので、特に小さなお子さんは要注意です。

反対に、時間をかけて努力して習得した英語力は、いつまで経っても残るものです。

せっかくの海外生活、Playground English の域を出ないのは、何とももったいないことです。

語学力を身に付けるのに近道はありませんが、毎日コツコツ意識して学習することが、長期的に考えた場合、一生の財産になります。

ご帰国後も、大人になってからも、ご自身の英語力を客観視してみることが、英語をさらにレベルアップさせ、それを維持していくための発動力になるのかもしれません。

TCK人口

最近、学校で先生の紹介を聞いていると、「私もTCKです。」と自己紹介する教師が多いなぁという印象を受けます。

Third Culture Kids(サード・カルチャー・キッズ)の略で、両親の国でもなく、育った国の文化でもない、独自の「第3の文化」と呼ばれる環境で成長した子どもという意味ですが、20数年前、大学で異文化間教育学を学んでいた頃、そういう概念はあったものの、当時は必ずしもTCKという呼び方はしていませんでした。

TCKという名称は最近、本当に良く耳にするのは、そういう人がそれだけ増えてきたということですが、TCK人口が、増えれば増えるほど、TCKという概念すら当たり前すぎて、そういう言葉自体、そのうち死語になるかもしれませんね(*^▽^*)

TCKは、親子間でも全く違う経験をするので、親の「常識」が子どもの常識として通用しないことも多々あります。

私は南米のブラジルで育ったのですが、小学生の頃、父に「オーストラリアって、どこにあるの?」と聞いたことがありました。

その時、父に「オーストラリアも知らないのか。アフリカと南米の間にあるじゃないか」と言われたのですが、

ブラジルで育った私が学校で見慣れている地図はこちら↓

父の説明に、私は、当然「???」です。

「私の地図」には、アフリカと南米の間に、国は存在しないので、地図では見えないくらい、オーストラリアってずいぶんと小さな国なのだなぁと、的外れなことを思った記憶があります(^▽^;)

南米や北米では、アメリカ大陸が中心の地図が主流なのですね(*^▽^*)

今となっては笑い話ですが、TCKと呼ばれる子どもが増えるということは、常識というものはないと考えた方が良いですね。

今のグローバル社会、昨日の常識が今日の常識ではない、ということすらあってもおかしくない。

TCK人口の増加がもたらすもの。

それは、やはりグローバル・マインドが持てるかどうか。

そういうメンタリティーが、今後、ますます問われてきそうですね。

経験に勝るものは、ありません(*^▽^*)

今のTCKには、とにかく沢山のことを経験してもらい、それがグローバル・マインド育成の原動力になっていくのでしょうね★

英語の絵本読み聞かせのお悩み

以前、英語の読み聞かせに関するご質問を受けたことがあります。

お子さんが幼稚園から借りてくる英語の絵本を、家で読み聞かせてあげるのだが、ご本人はあまり上手に読めないことを気にされ、それでお子さんもお話をあまり良く理解していないのでは?と思ってしまい、どうするのが良いのか?というご相談でした。

多くの方が、同じようなお悩みをお持ちなのではないでしょうか?

まず、ここでご注目いただきたいのは、お母さんの「英語で読み聞かせたい」という思いに対して、お子さんも同じように思っているかどうか、という点です。

結局のところ、お父さんお母さんの英語力や英語に対する自信と、お子さんの英語力のバランスが、なによりも重要になってきます。

例えば、お子さんの英語力に関わらず、お母さんが英語に自信をお持ちであれば、親子で英語の絵本を楽しむことはできるので、何も問題はありませんね。

同じように、親は英語があまり得意ではないけれど、お子さんがまだ英語があまりできない時点では、双方があまり努力をしなくても、読み聞かせを楽しいものにすることはできるでしょう。

ただ、お子さんがローカル校やインター校に通い、英語がどんどん上達してくると、親子間で英語力に差がでてきてしまい、その場合、バランスを考慮する必要があります。

これは、読み聞かせに限ったことではなく、ご家庭での英語の使用量に関しても同じです。

私が専門とするバイリンガル教育は、意外と誤解されがちなのですが、何よりも母語を大事にする教育アプローチです。

子どもの第2言語の上達は、母語の基礎がどれだけしっかりしているかで比例します。

なので、お子さんがどんどん英語ができるようになり、お母さんの英語力が追いついていけなくなった時こそ、今度は日本語の読み聞かせに、是非、力を入れてほしいのです。

親が日本人同士のご家庭の場合、お子さんがどんなに英語ができるようになっても、それが母語になることはありません。

ということは、英語が上達すればするほど、今度はご家庭での母語教育が大切になってくるのです。

今せっかくシンガポールにいるので、頑張って英語で読み聞かせをしたい!というお気持ちは理解できますが、今シンガポールにいるからこそ、ご家庭での母語教育の重要性、そしてそれを与えられるのはお母さんであり、お父さんであることも心に留めておいて下さいね。

まさに、親が子どもに与えてあげられる大切なギフトなのです♪

2050年の世界

先日、雑誌を読んでいたら、今の小学生が社会の中核を担うのは2050年頃という記事が目に留まりました。

2050年。どのような世の中になっているのでしょう?

あまり想像もできませんが、時間は誰にでも平等に与えられるものだから、今の小学生は、どの子もその頃には30代後半~40代前半。

特に英語教育に関しては、小学校から英語を習い、中学では英語を英語で学び、スピーキングを含む4技能(読む・書く・聞く・話す)重視の手厚い英語教育を受ける世代の子どもたちですね。

ということは、今の小学生に英語を教えるということは、それがどのような形であれ、20年後、30年後の世界のための種を蒔くようなものですね ♪

2050年にどのような未来が待っているのか分かりませんが、今以上にグローバル化が進み、英語は「目標」ではなく「ツール」の一つに過ぎず、一つひとつの文化を大事にしつつも、グローバル・マインドに貢献できる、そんな大人になってほしいなぁという希望を胸に、

2050年に輝けるスターたちと接していきたいなぁと、未来に花開く小さな英語の種のポテンシャルを、より一層意識していこうと思いました☆

 

グロービッシュをご存知ですか?

Globish をご存知ですか?

グローバル+イングリッシュの造語ですが、他にも、インターナショナル・イングリッシュなど、呼び方が他にもあるため、意外にも浸透していない造語だなぁと感じます。

呼び方に違いがあっても、指していることは同じであり、実際、グローバル社会で生活していると、そうした現象があることは実感できます。

英語を母語としない者同士が使用する英語がグロービッシュです。

いまや、 グロービッシュ人口は、英語のネイティブ・スピーカーを上まります。

グロービッシュで何となく通じるし、グロービッシュの方が楽なので、「スタンダード」とされる英語は習わなくても良い、と主張する人もいますが、賛否両論です。

ネイティブ・スピーカー並みの英語を話す人が、シンガポール人と話す際は、敢えてシングリッシュを使用する場合があります。

その方が、コミュニケーションがスムーズにいくのです。

まさに、前回のブログでご紹介した「ディスコース」です。

ディスコースを意識し、シングリッシュを用いたコミュニケーションと言えますね。

文法的には必ずしも正しくなくても、それでディスコースがうまくいくのであれば、というのがグロービッシュの醍醐味でしょう(*^o^*)

結局、英語がどれだけ正しいかにこだわるか、それとも、コミュニケーションを円滑にするためのディスコースをとるか、という感じですね。

どちらにしても、やはりアメリカやイギリス英語の基本を知っているからこそグロービッシュにも対応できるのではないでしょうか。

グロービッシュで通じるからネイティブの英語をないがしろにするのは本末転倒だと思います。

「正しい」英語に固執してしまうがために、英語が話せなくなってしまうのは実にもったいないので、そういう方は、「国際語」としての英語のコミュニケーションを意識してみると良いでしょう。

ただ、グロービッシュはあくまでもグロービッシュなので、そうした自覚も必要かと思います。